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巨樹の記録 ≪忍坂山口坐神社のクスノキ≫

850_2202-1-sn7.jpg
Nikon D850 + AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR

≪阿弥陀寺のケヤキ≫を見た後は、同じく桜井市にある忍坂山口坐神社へと向かいます。

さてこの忍坂山口坐神社ですが、何と読むかわかります?
忍坂は地名で「おっさか」と読むのがこの地域では一般的という認識でしたが、神社名になるとまた違うようです。
坐も読みづらいのでいくつか検索したところ、
 「おしさかやまぐちにいますじんじゃ」
 「おしさかやまぐちにますじんじゃ」
 「おさかのやまぐちにますじんじゃ」
 「おさかやまぐちいますじんじゃ」
など微妙に違った読み方が色々出てきて混乱しますが、あまり気にしないことにします(笑)。


↓↓↓




850_2179-1-sn7.jpg

国道から逸れ小さな集落の中を進むと、お手製の案内板で神社の場所を教えてくれます。
この案内板にある赤尾の大楠というのが目指すクスノキのようです。
最初はわかりませんでしたが、この写真でその姿がうっすら写っています。



850_2182-1-sn7.jpg

暗い鬱蒼とした茂みの中にそのシルエットが見えますよね?
最初は全然気付かずに通り過ぎてしまいました(汗)。
写真右下に自転車が写っていますが、あそこがこの神社の入口で、これは一旦戻ってきて撮っています。



850_2160-1-sn7.jpg

神社の正面に立って。

この日は好天だったにもかかわらず境内は薄暗い、というか暗い。
これでもわかりやすいように少し明るく補正しており、実際の印象はもっと暗かったですね。
こじんまりとした神社ということもあってか、人気はまったくありません。

そして目的のクスノキの姿が左の方にチラッと。



850_2162-1-sn7.jpg

それではクスノキの方を向いてみましょう。

参道よりもやや高い位置(斜面?)に立っており、これまたちょっと傾いている。
この日見た巨樹は三本とも傾いている状態でした。
とまぁ今だからこそ冷静に説明できていますが・・・。



850_2166-1-sn7.jpg

実際は、暗い境内に一歩足を踏み入れた瞬間、忽然と視界に入ってきたこの姿に大きな衝撃を受けました。
クスノキの巨樹界ではまだまだ目立たないポジション(サイズ)ですが、想像を大きく超えるその存在感に圧倒されました。



850_2167-1-sn7.jpg

クスノキといえば、明るい・元気・親しみやすいというのが特徴(イメージ)ですが、これはそういうタイプではなかったですね。
触れてみたいと思わなかったですし、現に裏側にさえ回って見なかったのですから。
柵とかもなくて自由に近付けるような環境だったのに・・・。



850_2174-1-sn7.jpg

さすがに根元はどっしりと安定感があります。
そして見事なまでにビッシリと樹皮を覆っている苔。
この神社の環境を思えば大いに納得できます。



850_2172-1-sn7.jpg

太い幹が一本だけ折れた跡がありますが、それ以外は目立った欠損もなく樹勢は旺盛です。
日当たりが若干気になる程度で、今後もまだまだ大きく成長してくれそうな期待が持てますね。



850_2169-1-sn7.jpg

逆光気味ということもあるんですが、見上げて目にした光景に近い。
色が消失してしまった世界にいるようでした。



850_2199-1-sn7.jpg

恒例の自分比較です。

普段ならば巨樹の真横を確保するんですが、前述したように何となく近寄り難くて手前で妥協(汗)。
うまく表現できなくてもどかしいことこの上ないのですが、このクスノキにはこれくらいの距離感が良いと思いました。
それはこの神社そのものの雰囲気とリンクしていると言ってもいいでしょう。



850_2176-1-sn7.jpg

≪忍坂山口坐神社のクスノキ≫

奈良県桜井市赤尾42 忍坂山口坐神社
桜井市指定天然記念物 

幹周/7.9m、樹高/30m、樹齢/600年


この樹名板では何故か「押坂」となっていますが、正式な神社名の「忍坂」にしております。



850_2155-1-sn7.jpg

少し余談を。

この神社、金閣寺と何の関係があるのかと思ったら・・・。
なんと忍坂山口坐神社のクスノキは二代目で、初代は金閣寺建立の際に天井板として使われたのだとか。
「楠天井の一枚板」というのが金閣寺の建立にまつわる目玉とも噂とも伝説ともいわれる話が有名なようですが、
1950年の放火で焼失してしまったのがとても残念。

ちなみに、天井板として使われていた舎利殿第三層の一辺の長さは約5.5m。
仮にそのまま直径5.5mの幹だったとしても、単純計算で幹周17mオーバー。
計算上は直径7.8mのサイズが必要という意見もあって、それだと幹周24mオーバーですよ。
いや、まったく、驚きしかないですね。
どれだけ大きなクスノキだったのだろうかと。

この二代目も初代に負けない程に大きく成長して欲しいものですね。



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テーマ:花・植物 - ジャンル:写真

  1. 2019/05/05(日) 20:41:43|
  2. 巨樹の記録
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

御杖村は読める私でも、この神社の名称は読めませんでした 笑
しかしこれはクスノキらしからぬクスノキですね。
山奥にそびえるシイやタブのような「陰」の迫力を感じます。
雨が降っていたりしたらビビって近付けないかもしれません。
(あと蚊が多そうなので、真夏はもっと近付きたくないですね…)

初代、見てみたかったですねえ!
それこそ薫蓋樟クラスの大物になっていたかも?
奈良も京都も立派な巨樹は寺社建立のために伐採されてしまい比較的巨樹の少ない土地だと思うんですが、もしそれらが現存していたらと考えるとロマンを感じます。せめて現存する僅かな巨樹だけでも、大切に保護して次世代へと遺していただきたいですね。
  1. 2019/05/07(火) 11:00:39 |
  2. URL |
  3. to-fu #-
  4. [ 編集 ]

> to-fuさん

御杖村を読めるだけでもう尊敬レベルですよ(笑)。
そうです「陰」のイメージが伝わって嬉しいです。
クスノキではなくシイに近い印象をだったのでペッピリ腰で対峙してしまいましたが、
印象に残るクスノキだったのは間違いないですね。
蚊はね、夏場にはウヨウヨしてますよ、絶対に!!

一枚板の天井が本当だとしたら、相当スゴイ巨樹だったでしょうね。
薫蓋樟を超える怪物クラスになっていたでしょう。
歴史的にも木造建築が多い京都や奈良は、普通に考えて建材確保のためにバッサバッサと伐採されたのは間違いないですよ。
このクスノキが初代を超えるレベルになって欲しいと願ってやみませんね。
  1. 2019/05/07(火) 21:33:31 |
  2. URL |
  3. RYO-JI #-
  4. [ 編集 ]

楠で写真だけ見てもこれだけの陰気を感じるという樹は珍しいですね。
雑木林のような中に、こんな巨躯がぬっと現れる。
でかくて陰気なものには近づきがたい……なかなか経験できないような経験ですね。

初代にはそんないわくが。
24mだとすると、かの蒲生の大クスと同じ大きさですね!
しかし、そのくらいのクスになると、もれなく内部が洞穴のように空洞化しているものだし……。
と思ったんですが、そこは天井板か。
柱や梁ではないですから、薄い板なら垂直方向に切れば取れたのかもしれませんね。
すると問われるのは幹周ではなかったり?
などとうがった見方をして楽しむマニアでした。笑
  1. 2019/05/09(木) 17:55:08 |
  2. URL |
  3. 狛 #OP.fI0wQ
  4. [ 編集 ]

> 狛さん

そう、ハッキリ言ってしまうと陰気なクスノキなんですよ。
そして神社の雰囲気が更に・・・。
巨樹としての見応えはある筈なのに、そっち方面が気になって落ち着かない撮影でした。
これで雨とか悪天候だと、一歩も足を踏み入れることができないかもしれません(汗)。

天井については垂直方向の一枚板なのか、それとも輪切りの一枚板だったのかで幹周は変わってきますよね。
巨樹好きとしてはそれがどっちだったのかがスゴク気になってしまいます(笑)。
さすがに蒲生の大クスと同じ大きさで空洞も無く、木材としてキレイな状態を維持しているクスノキは想像がつきません。
そう思うとつくづく火事による消失が残念でなりませんねぇ。
  1. 2019/05/09(木) 21:01:12 |
  2. URL |
  3. RYO-JI #-
  4. [ 編集 ]

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