
Nikon D850 + AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR
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真乙姥御嶽・・・まったく読めません(汗)。
「まいつばうたき」と読むそうです!
「まいちぃばーおん」、「まいつばーおん」と呼ばれることも。せっかく石垣島まで来たんですから、巨樹も抑えておかないと・・・。
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ということで、繁華街を散策ついでに少し足を伸ばしてやってきたのがこちらです。
真乙姥御嶽。
その真乙姥とは、女性の名前です。
八重山諸島の英雄のひとりである長田大翁主の妹で、1500年代に石垣島で行われた王府(中山)軍と
地元オヤケアカハチとの戦いで、中山軍に協力し、その祈願の功績により当時の尚真王から神職を与えられ、
没後の墓を御嶽(祖先神をまつる聖地)としたものだそうです。
境内には巨大なオオバアコウが生育しており、御嶽を守るように包み込んで・・・
ん?

えっ・・・。
境内には軽トラや重機の姿があって、何やら様子がおかしい。

まさかの絶賛工事中。
しかもこの扱い・・・ヒドイ・・・。
沖縄の名木百選、石垣市緑の戸籍簿にも登録されているオオバアコウにも関わらず。

ショックというか悲しいというか、正直ここに来たことを後悔しました。
あまりの惨状に冷静にこのオオバアコウに対峙することができませんでした。
一方で、わざわざ遠くから来たのでしっかり撮らなくては・・・という思いも。

でもね、色々と邪魔なモノがありますが、しっかりと目に焼き付けておきましょう。
これでも大事にされていると思うんですよ、きっと(そう信じたい)。
オオバアコウと言えば、気根を垂らして寄生主の木を絞め殺してしまう殺し屋です。
そんな生態を知らずとも、その姿からとても奇怪な印象を受けますね。

数えきれないほどの気根が絡み合っています。
奥さんは、『人間が閉じ込められていそう・・・』と怖いことを言ってましたが、
オオバアコウの生態を思うと、あながちその表現は間違っていないですよね。
邪魔になったオオバアコウを切り倒そうと思い斧を振るったところ、気根に絡めとられてしまい、
絞め殺された挙句、そのまま幹と一体となってしまった。
それ以後、誰も伐採しようとは思わなくなった・・・。
なぁんて逸話でもありそうじゃないですかねぇ。

樹勢は物凄く旺盛で、南国の植物特有の強い生命力を感じます。
人間が労わってあげないといけない!そう感じるような弱々しさは皆無。
工事での雑な扱いにも負けない強靭な体力と精神力が宿っているとさえ思えます(人間みたいに)。

≪真乙姥御嶽のオオバアコウ≫
沖縄県石垣市字新川252 真乙姥御嶽
沖縄の名木百選
幹周/12m、樹高/12m、樹齢/200~300年
工事中でとてもじゃないですが立ち入れる雰囲気もなく、自分比較は撮ることができませんでした。
うーん、残念です。
それでも周囲の車や重機などを参考に大きさを想像していただければ幸いです。
楽しみにしていた巨樹だけに、この日の状況に大いに失望せざるを得ませんでした。
それでもこのオオバアコウの存在感は素晴らしかったですし、普段目にする本土の巨樹とは違って新鮮でした。
石垣島は自分にとってはとても居心地の良い場所で、今後も何度も訪れたい土地。
いや、必ず訪れる場所なのです。
だからここにもまた行きます。
その時は、じっくりと対峙したいと思います。

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テーマ:花・植物 - ジャンル:写真
- 2018/12/05(水) 21:21:43|
- 巨樹の記録
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| トラックバック:0
-
| コメント:4
これは酷い。完全に資材置き場と化してますね。
この光景を見て例の巨樹の根本に岩が積まれている件を狛さんが解説されていたのが腑に落ちました。なるほど、これが放置されるとあの意味ありげな積石が完成するわけだ。
アコウの木は残念ながらまだ実物を見たことがないのですが、いかにも南国的な非日常感があって良いですよね。RYO-JIさんが以前訪問されていた和歌山のアコウはしっかりリストにチェック済みで、訪問するタイミングを窺っています。和歌山のアコウも立派でしたが、やはり南国の植物には南国の風景が似合う気がしますね。赤っぽい瓦や外壁との対比が綺麗です。
- 2018/12/05(水) 21:36:12 |
- URL |
- to-fu #-
- [ 編集 ]
うわー、何の工事なんですかね。何かを解体したのかな。
って、よく見たら後ろの社みたいな建物まだ作ってますね。
古いのをほぐして、片付けないうちに後ろのを建てているわけだ。
綺麗にわけてあるし、何かさっさと処分できない事情があるのかも。
南国と本州と北国ではそれぞれ自然や樹木に対する向き合い方、価値観が違うので、これでも普通の扱いなのかも?
まあでも、一本でもジャングルみたいなアコウの逞しさが不安も消してくれます。
工事の人も、この樹は明らかに大丈夫だろ、と判断したのだと思います。
まあでも足場の材料立てかけてんなよ!
これ、天然記念物じゃないんですか? 汗
満足に写真が撮れなかったのは悔しいですが、僕もアコウという植物にまた興味が湧きました。
葉っぱも大きくて青く、特徴的ですね。
なんとなくモノクロで撮ってみたい姿形だと思いました。
- 2018/12/05(水) 23:16:24 |
- URL |
- 狛 #OP.fI0wQ
- [ 編集 ]
> to-fuさん
ええ、ほんとうそうですよねぇ。
あの解説には大いに納得させられました。
そもそも工事現場の状況というのはまさに現在進行形な訳ですから、見てはいけない場面なのかと。
あくまでも完成後に見るべきものなんでしょうね。
ほら、女性の化粧なんかも途中は見ちゃいけないのと同じで(違う)。
はっきり言ってアコウは悪役ですよね。
締め殺しの木だなんて・・・。
でも表現がグロいのでそう思ってしまうんですが、人間も含め生物というのは生き抜くために
様々な弱肉強食をしているので特別悪いわけじゃないのかもしれませんね。
和歌山のアコウも是非。
冬場は南下すれば巨樹巡りもできますし(笑)。
- 2018/12/06(木) 22:16:51 |
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- RYO-JI #-
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> 狛さん
さすが元現場監督!
この写真ですべての状況を把握し、わかりやすく解説して下さってますね。
いや、ありがとうございます(笑)。
冗談抜きで本当にそんな感じでした。
南国の人たちって、どこかのどかで人あたりもいいじゃないですか。
本土みたいにギスギスしてないし、それが心地良くて沖縄は好きでもあるんです。
だから我々とは価値観が違って当然ですし、このオオバアコウへの接し方も普通なんだと思います。
ここは由緒ある場所ですし、そういうことも理解された上でのこの状況ですから、
敬いつつも気軽にちょっと置かせてねぇという感じだと思います。
でもやっぱり立てかけるのは止めてもらいたい(怒)。
たぶん天然記念物ではないと思うんですよ。
説明板もなかった(撤去されている?)のではっきりはしませんが・・・。
アコウやガジュマルといった南国特有の樹種は、スギやヒノキなどとまた違った面白さがありますね。
モノクロもいいですね。
いずれ再訪すると思いますので、その時は色々と撮ってみたいです。
- 2018/12/06(木) 22:40:03 |
- URL |
- RYO-JI #-
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