
NIKON D7000 + TAMRON 18-270mm/f3.5-6.3
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前回のつづき・・・
≪吐山の左巻榧≫を見た後、この日メインの巨樹の元へ向かう予定でしたが、
山道に入る直前に目の前に立ちはだかったのは「全面通行止」の看板。
田舎を自転車で走行中での強制迂回は正直勘弁してほしいところですが、自然災害では致し方ありません。
でもその迂回が結果的にマルでした。
「近くを通ることがあれば寄る巨樹」にリストアップしていたクスノキがあるお寺の前を通ることになったので、
これはこれでまぁアリだなということです(笑)。
↓↓↓

場所は、奈良県山辺郡山添村の毛原地区。
奈良県北東部、三重県との県境に位置し、夏は冷涼、冬は厳寒な高原の村です。
目指すクスノキは、ここ長久寺にあります。
ちなみに、コンクリート舗装の道と青いネットの間にある石段が参道です。

山添村の観光情報サイトによると、
この寺の創建年代は明らかでないが、おそらく天平の昔、東大寺建立に関連して豪華な伽藍を誇ったであろう
「毛原寺」の荒廃後に建てられたもので、古くから東大寺戒壇院の末となっていた。
だそうです。
で、この参道を登り切った先にある本堂の真横にクスノキがありました。

クスノキらしく、どっしりとした重厚感ある幹。
何故か安心感をもたらすんですよねぇ、特に若くて大きなクスノキは。

何があったのか知りませんが、支幹のほとんどが途中でぶった切られています。
以前はきっとモリモリと枝葉を伸ばし、こんもりとした姿だったのでしょう。
残念な姿ではありますが、それでもそこから逞しくも細い枝がたくさん成長してきているので、
また元気な姿を取り戻してくれることでしょう。

そんな姿も特徴的ではありますが、このクスノキの最大の魅力はこの根の部分。
真ん中に空洞がありますが、幹周の倍はあろうかという根回り。
ひょっとしたら合体樹かもしれませんが、そんなことは抜きにしても見事な根です。

うん、ブロッコリーですね(笑)。

ちょっと気になったのがこの大きな石たち。
完全にクスノキの根の上に乗っかってます(汗)。
宗教上あるいは信仰上の理由で何かこうする理由があるのかもしれませんが、クスノキが可哀想で・・・。
それとも元々置いてあった石の所までクスノキの根が発達した結果、石を持ち上げてしまったとか(汗)。

本堂の裏側は少し高台になっており、クスノキを見下ろすことができます。

そしてこの高台は墓地になっており、立派なカヤもあります。
しかし残念ながら、このカヤもぶった切られた跡が・・・。

更にその上側にあるこの背の高い樹が一番目立っています。

さて、恒例の自分比較。
例によって三脚を自転車のところに置いてきているので、適当な場所にカメラを設置してタイマー撮影。
案の定、歪んでしまっています(汗)。
結局後悔することになるので、ちゃんと三脚も持ち歩けって話ですよねぇ。
ほんと懲りないヤツです(汗)。
それにしても改めて見ても見事な根回りです。

≪長久寺のクスノキ≫
奈良県山辺郡山添村大字毛原 長久寺
幹周/不明、樹高/不明、樹齢/不明
不思議なことに、このクスノキは環境省のデータベースに掲載されていません。
何故なんだ?という思いもありますが、現状はこのデータベースには色々と問題があると感じています。
しかし、これがもっと充実した内容になっていけばなぁという強い願いを常々持っていました。
これまた同じく巨樹愛好家の狛さん情報によると、環境省は我々一般人の力を期待しているとのこと。
とまぁそんな訳ですので、微力ながら少しでも良くなるよう今後はできる範囲内で協力していこうかと思っています。
自分の勝手な推定ですが、幹周/5m、樹高/9m、樹齢/300年くらいでしょうか。
いや、樹齢は推定というレベルではなく、適当にそれぐらいかなぁ・・・といった感じですけどね(笑)。
つづく・・・

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テーマ:花・植物 - ジャンル:写真
- 2018/10/28(日) 21:24:24|
- 巨樹の記録
-
| トラックバック:0
-
| コメント:4
この巨樹は僕も地図にチェック済みです 笑
山添村ってそこまで遠くないイメージだったんですけど、いざ行こうと思ってルート検索してみたら意外と遠くて断念した経緯があります。こうして見てみると車でウロウロすると地元の方の迷惑になりそうなくらい細い道ですね。(吐山もそんな感じでしたね。)僕も車はどこかに置いて現地は自転車で回ってみようと思います。
幹の形状だけ見るとタブっぽいですね。そして根回りはどことなくシイっぽい。これは面白いクスです。やはり実際にこの目で見てみたい。
根本の石積みは何なんでしょうね。巨樹を巡っているとそれなりによく見かけるので木に対する嫌がらせだとも思えませんが…樹木医の指示や、RYO-JIさんが想像するように何らかの信仰の形だったりするのでしょうか。考え出すと結構気になりますね。ここは狛博士の登場を待ちたいと思います 笑
- 2018/10/29(月) 17:34:59 |
- URL |
- to-fu #-
- [ 編集 ]
> to-fuさん
さすがですね、このマイナーな巨樹までチェックされているとは(笑)。
山添村はもうね、ずっと山の中です。
アップダウンが多いので、車での移動が便利だとは思います。
でも細い道も多いので、駐車するのに困るかもしれません。
が、交通量が少ないので、それほどでもないとも言えますね(笑)。
気候が良ければ自転車が楽しいですが、冬は注意が必要でしょう。
クスノキの巨樹として見れば、なんの変哲もないサイズなんでしょうけれど、
この根回りは見応えありました。
だからこそ余計にこの根元の石が気になって気になって・・・。
そうですね、ここはやはり狛博士にご登場願って、その類稀なる才能と長年の経験による解説をお願いしたいところです(笑)。
- 2018/10/29(月) 21:35:24 |
- URL |
- RYO-JI #-
- [ 編集 ]
くしゃみが止まらない、今年から花粉症デビューかと思っていたら、お呼びですか? 笑 (←古いタイプの人間)
いや、この石に関しては、巨樹云々というよりも、ワタクシのにわか現場監督としての経験の方が役にたつかもしれません。
すなわち、高台からの写真を見るに、この樹の周囲はそう古くない年代に整備されていると思います。
石には、なんか手水みたいなのもありますが、大半が造形物じゃなさそう。
おそらくは、重機で掘ったり盛ったりならしたりしている時に、こういうでかい瓦礫が出てきたのだと思います。
古い土地だと、そこにあった残骸をそのまま埋めてしまっていることがありますし、こういうのもざらに出てくるんです。
しかし、出てきた石を置いとくとそこが整地できないってんで、しょうがねえ、樹のとこ転がしとけよ、樹はいじらねえってんだろ? と親方が言った。と、そういうことかと。
カヤのところにある石も、道などを作る際に行き場がなく、こうして避けといたというものだと思います。
似たような状況にはよく出くわしましたが、最終的に産廃屋さんに引き揚げさせるのが普通なんですけどね。
コストをケチったか、話がまとまらなかったか……。
このままでは樹がかわいそう……。
こういう時のための天然記念物指定だと思いますが、樹が枯れることによって解除されるところを見ても、状況が良くないと認められないのかもしれません。
少なくとも、この石をどうにか処分してあげないことには、これからの指定にも障る気がしますね。
とはいえ、樹も土地も石も私有物でしょうから……。
楠がこれで枯れるとは思えないところが救いですね。
これから百年、二百年と、こんな石なんか飲み込みながらグイグイ育って行ってほしいです。
そしてその時は晴れて天然記念物!
- 2018/10/31(水) 15:59:13 |
- URL |
- 狛 #OP.fI0wQ
- [ 編集 ]
> 狛さん
あっ、博士もとい、現場監督(笑)。
すみません、噂しまくりで(もちろん私も古いタイプ)。
いやね、不明なことがあったのでなんとなく狛さんに解説を丸投げしちゃいましたが、
神武さんや空海さんなど歴史的ヒーロー登場と思いきや、まさかそっち方面からの分析とは。
ロマンも神秘的要素皆無、大人の事情ということなんですね。
いやぁ、激しく納得!
池上彰ばりの理路整然とした解説で、おバカな視聴者代表のように『なるほどなぁ』と唸るしかありませんでした(笑)。
とはいうものの、巨樹にとっては迷惑以外の何物でもないですよねぇ。
悲しい・・・。
確かに天然記念物指定であれば、こういったヒドイ扱いを受けないのでしょうが。
かといって勝手にどける訳にもいかないしで、歯痒いです。
こうなったらクスノキの生命力を信じるしかないですね。
クスノキでは他にも例があるように、石ごと抱え込んで成長してやればいいんですよね。
それが土台となって更に強固に逞しく!
そう、目指せ天然記念物指定!!
- 2018/10/31(水) 21:11:23 |
- URL |
- RYO-JI #-
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