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The B grade ・・・

巨樹の記録 ≪戒場神社のホオノキ≫

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NIKON D7000 + TAMRON 18-270mm/f3.5-6.3
(写真はすべてクリックで拡大)

実は我が家にもホオノキがある。
特徴的なあの大きな葉っぱが太陽に照らされて作る影、風に吹かれてカサカサなる葉音に癒されている。
しかし先日、泣く泣くその大きく伸びた枝の大半を伐採することになった。

理由は枯葉である。
毎年秋になると、大量の枯葉で地面が覆われるのだけれど、自分の家の敷地内ならまだいい。
でも、どうやらお隣さん家の敷地内にもあの目立つ大きな葉っぱが落ちているのだ。
さすがにそんなご迷惑をかけ続けるわけにもいかず・・・。

巨樹に会いに行くのが好きなくせに、自宅の樹を大きく伐採してしまわなければいけない事態には心が痛んだ。
このブログに掲載している巨樹たちは、そんな人間の勝手な行動を何百年間も免れたのであろう。
もしくは被害にあってもなお、強く逞しく存在し続けていると思うと感慨深いものである。


↓↓↓



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この日は、10月の長雨の前だったこともあって天気は晴れ。
写真を撮るにはいいけれど、自転車で巡るには暑過ぎた。
気持ちよく自転車で巨樹巡りをと思ったんだけれど。

まずやってきたのは、愛宕神社。
奈良県宇陀市の山間部にある小さな小さな神社。

おっと、その前に、自転車で巨樹巡りをする時の悩みを聞いて欲しい。
バックパックやメッセンジャーバックなどを背負いたくない私は、いかに荷物を減らすかに頭を悩ませている。
デジタル一眼レフはメイン機材なので仕方ないにしても、問題は三脚である。
できれば持ちたくはないけれど、現地が山の中で暗い場合や、自分比較写真を撮るには必要だし。



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で、今回は新しい試みである。

自転車のサドル下に括り付け、動かないようシートポストに巻き付けるスタイル。
写真ではわかりにくかもしれないけれど、三脚を靴下に入れてカバーの代わりに(笑)。
これだと走っていても重さをさほど感じないし、見た目もそれほど気にならない(と思う)
ただし、軽くて小型の三脚なので性能には大いに不安はあるけれど、無いよりは全然マシ。

話を元に戻そう。
愛宕神社である。
ここに、≪愛宕さんのケヤキ≫という巨樹があると知ってやってきたんだけれど・・・。



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≪愛宕さんのケヤキ≫

幹周/7.7m、樹高/30m
株立ちのため、総幹周は12mを超えるとも言われている。

しかしそんな巨樹は見当たらず、かつてそこに存在したであろう痕跡が見受けられる。
いったい何があったのだろう。
チェーンソーか何かでキレイに切られた株だけが残っていた。
その断面を写真にも撮ったんだけれど、無残な姿を掲載する気にはならず。
巨樹巡りをしていて、お目当ての巨樹が無くなっていたのは初めての経験。

下を通る道路に覆いかぶさるような巨体を想像しつつ、足早に立ち去る。



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その愛宕神社からは、更に山道を奥へと進む。
路面もイマイチ良くなく、誰も見かけない。
と思っていると、前方を野犬?が通り過ぎ、ヒヤリとする場面も。



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途中、山部赤人のものといわれるお墓を通過。
ハチがブンブン飛び回っており、ゆっくり撮ることができず。(←言い訳)



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少し視界が開けたところで。
ずいぶんと登ってきた。



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山道を抜けると、小さな集落があった。
その集落から更に上へと続く道があり、どうやらこの先に目的の戒場神社があるようだ。

明らかにこれまでとは違うキビシイ登り坂を前に、意を決して登り始める。



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あまりの勾配にヨレヨレになりながらも、脚付きせずに到着。
しかし、どうやら必死になって登ってきたせいか、どうも行き過ぎてしまったよう(汗)。
神社の裏口?的な場所(本殿の横)にいきなりやってきてしまった。



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目の前にその巨樹の姿が見えているのだけれど、まずは呼吸を整えてからご対面。
一見して、これまで自分の中にあったホオノキのイメージを覆すような佇まい。

ホオノキは太陽の光をいっぱいに浴び、空高く伸びた元気な樹という印象がある。
しかし、この≪戒場神社のホオノキ≫にはその元気を感じない。
むしろ悲しい声が聞こえてくるようである。
(写真は見やすいように明るく現像してある)



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特に根元に近い部分の幹がホオノキのそれではない。
樹齢の古さを感じさせる。
しかしそれよりも、穴が空いてしまった痛々しい姿に目を奪われる。



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全貌を見るべく、一旦本殿正面まで下がる。
けれど、山間にへばりつくように存在していることもあってよくわからない。

そして狭い境内には、私以外の気配は感じない。
時折吹く風が周囲の木々や葉を揺れさせ、その音が不気味にすら聞こえる。

写真右の建物と建物の間、ここから来てしまった(汗)。



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もっともボリュームを感じる場所から。
狭い隙間に存在するので、根元は日当たりも悪く、苔がびっしり。



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空洞化している幹。
ホオノキがこんなに太くなるなんて驚き。



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見上げると、ようやくホオノキらしい大きな葉っぱを目にできる。
上の方は、少し元気そうに見える。



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そして恒例の自分比較。
三脚が役立った瞬間(笑)。



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≪戒場神社のホオノキ≫

幹周/6.2m、樹高/15m、樹齢/300年以上

環境省の巨樹巨木林調査結果によると、幹周は8.6mとあるんだけれど、
実際に目にした感覚ではさすがにそれはないかなぁという印象。

しかし、ホオノキとしては非常に稀有な存在の巨樹であることは間違いない。
残念なのは、素人目に見ても状態があまり良くない感じなのにも関わらず、
手入れをされずに放置されている様子がみてとれること。

新日本名木100選にも名を連ねているくらいだから、重要な存在なのは間違いない筈。
かつての樹勢を取り戻せるよう人の手を入れるべき巨樹だと思う。
先ほど目にした≪愛宕さんのケヤキ≫と同じ行く末にならないかと心配である。



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そして、この戒場神社に隣接してあるのが戒長寺。
集落からこの戒場山を登り、戒長寺を先に通って戒場神社にたどり着くのが自然なルートのよう。

で、≪戒場神社のホオノキ≫を見ている位置から180度ターンすると、≪戒長寺のオハツキイチョウ≫がある。
その距離は、わずか数十m。

この戒長寺、薬師如来座像を本尊とし、俗に戒場薬師と呼ばれる。
聖徳太子の創建と伝えられ、藤原時代には地方の戒律道場として栄えた。
9体の藤原仏を伝来し、わが国唯一の十二神将を刻んだ銅鐘や、
葉の縁に小さな実がつく奈良県指定の天然記念物の「お葉つきいちょう」が有名。
とのこと。



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大きくはないが、乳がいくつも垂れている。

山間にひっそり佇むお寺であり、境内が非常に暗くて撮影は困難。



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≪戒長寺のオハツキイチョウ≫

幹周/4.2m、樹高/15m

≪戒場神社のホオノキ≫を見るついでに・・・といえば失礼にあたってしまうけれど、
逆光で見たせいか実物以上に大きく見えるし、威圧感もあって見応えは充分。
樹勢もあって、まだまだ大きくなりそうで今後が楽しみな樹である。



登ってきた急坂をビビリながら下り、次の巨樹へ。
つづく・・・



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テーマ:花・植物 - ジャンル:写真

  1. 2017/11/05(日) 22:02:59|
  2. 巨樹の記録
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

自転車で三脚
今まで、この組み合わせ考えすらしなかったですね
既に無いものだと思ってましたからね
でも!これ「アリ」ですね
小型のものなら持って行けそう
復帰したら、やってみますね!
  1. 2017/11/07(火) 07:34:20 |
  2. URL |
  3. kenichi #rolxWucI
  4. [ 編集 ]

> kenichiさん

普段は三脚使わないんですけどね。
でも巨樹撮りでは必須なので、こういう苦肉の策を(笑)。
小型のものはやはり安定感がなくてちょっと不安ですけど、
大型のものは車じゃないと持っていく気がしませんから(汗)。
一度お試しくださいな!
  1. 2017/11/07(火) 21:01:23 |
  2. URL |
  3. RYO-JI #-
  4. [ 編集 ]

小さい三脚は必要なのかなとやはり思いますね。
すごい石段とか山道を登って行くのにでかいのは持っていけないし、だから毎回地べたに置いたり、石や枝を拾って固定したりしてるし……。

確かに珍しい、大きなホオノキですね。
ここまで大きいものは本などでもほとんど出てませんよね。
秋田の川連のホオノキには近年のうちまたぜひ再訪したいと思っています。
できれば6月あたり、花がついてるといいですよね。
個人的にも好きな樹種なので、感情移入して、この樹も西日本ホオノキ代表として大事にしてもらいたいなあと思いました。
ここまで傷むとなかなか盛り返せないのかもしれませんが……。

オハツキイチョウというのはたまに聞きますが、そういう学術的価値があるんですね!
興味深いです(メモ)。
  1. 2017/11/09(木) 12:22:54 |
  2. URL |
  3. 狛 #OP.fI0wQ
  4. [ 編集 ]

> 狛さん

私も三脚無しの時はカバンを使ったりと工夫はしましたが、
やはり専用品の性能には敵わないですよねぇ。

このホオノキは先日ご案内した場所周辺なんです。
あの辺りは巨樹の宝庫でして、どの巨樹へとご案内したらいいか
迷うくらいなんですよ。
これは西日本では一番大きなホオノキだと思いますし、
だからこそもっと大切にしてあげて欲しいと感じました。
私もいつか花が咲いているときに再訪したいなぁ。

オハツキイチョウも貴重な存在ですよね。
別記事にしようかとも考えたんですが、ロクな写真がなかったので
オマケ的に紹介させてもらいました(汗)。
  1. 2017/11/09(木) 21:18:22 |
  2. URL |
  3. RYO-JI #-
  4. [ 編集 ]

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